NPOで働くのはきつい?転職失敗しないためにデメリットを紹介

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「NPO法人への転職を考えているけど、キャリアが”片道切符”になりそうで不安……!」「やりがいはありそうだけど、給料が下がって生活に困ったらどうしよう……?」そんなあなたに向けて、NPOに転職する前に知っておきたいデメリットと、それぞれの対策を紹介します。この記事を読んでくださったあなたの「NPO×キャリア」をサポートできたら嬉しいです。

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目次

NPO法人に転職すると、一般企業よりも給料は下がる

NPOへの転職は、どうしても一般企業の給料の”7がけ”程度(3割ダウン)になってしまうことが多いです。

もちろん給料体系が整っているNPOもありますが、全体から見れば、それはごく一部です。

本来その人の持つスキルやポテンシャルに見合った対価を、勤め先のNPO法人から給料としてもらうのは難しい場合があります。
対策を順番に解説します。

ファンドレイジング担当者として、団体の収入拡大に貢献する

もしあなたが団体の「ファンドレイジング担当」として転職を検討しているなら、入職後のミッションは「団体の収入を増やすこと」です。

団体全体の収入を増やせれば、人件費などの管理費に使える金額も大きくなるはずです。
(もちろんファンドレイジングの目的はそれだけではありませんが・・)

本業で成果を出すという考え方も、シンプルで健全に思えます。
ファンドレイジングを担当するスタッフは(あくまで相対的にですが)条件の交渉もしやすいはずです。

(参考)NPOの給料はどこから出る?決め方や平均年収、仕組みを5分でチェック

家計の支出を最適化し、生活に最低限必要な支出を把握する

私も一般企業で働きながら、NPOへの転職を本気で考えていた時、やはりどうしてもネックに感じたのが収入面の不安でした。

「まずは自分の生活に必要な金額を把握しよう!」と思い立ち、家計簿を始めました。
なんとなくお付き合いで加入していた生命保険を解約したり、キャリア携帯を格安SIMに切り替えたり、無駄な支出を徹底的にカットしていきました。

20代独身という状況も幸運でしたが、毎月の支出は約7万円にまで抑えられました。
「これならNPOでも十分やっていけるのでは・・!」と思えたことは、私にとって大きな自信になりました。

もちろん支出を削りすぎて心が寂しくなってしまってはいけませんが、自分の心地よい支出を知る(足るを知る)のも、収入不安を解消するのに重要な要素です。

本業に支障がない副業/起業を検討する

副業やスモール起業も、NPOキャリアと非常に相性が良いです。
副業は、単に給料の補填にとどまりません。

  1. 団体に頼らなくても稼げる自信
  2. 時間や場所に縛られずに働ける
  3. 副業を通じた、新しい人との出会い
  4. 副業で得た知識が本業に活かせる
  5. 副業でいくら稼いでも社会保険料が上がらない&節税できる
  6. たとえ大きく稼げなくても、好きなことがお金になる経験ができる
  7. どこにいっても通用するスキルやマインドが手に入る

ざっと挙げても、これだけのメリットがあります。
副業で何をやるか?についても、アルバイトとして雇用されるのではなく、副業をやりながらスキルアップできるものがおすすめです。

実際にNPOで副業にチャレンジした体験談も、ご参考になさってください。

(参考)NPOに転職!給料ダウンを補うには?私が副業を3年間続けて良かったこと、後悔していること

人手不足なNPOは長時間労働がきついケースも

NPOは一般企業よりも圧倒的にリソース不足なことが多いです。
社会的な意義が大きい仕事であっても、スタッフの入れ替わりが激しい団体も。

せっかくファンドレイジング担当として転職しても「ひとり広報」「ひとり部署」という場面に出くわすこともあるかもしれません。

「気づけば週7日働き詰めだった」「やりがいだけでは続けられない」という声も耳にします。
こちらも対策を2つご紹介します。

新卒なら、まずは企業に就職するのがおすすめ

「とてもスタッフの人材育成にまで手が回らない・・」という団体は少なくありません。
それが新卒ならば尚更、即戦力になりにくい人材を雇用しながら、ゆっくり育てられる団体はごく一部です。

日々の業務に忙殺され、他で働けない人材になってしまうリスクは厳然と存在します。
もちろん個人的な考えですし、押しなべて当てはまるものでもありません。
現に私の周りにも、在学中にNPOを起業した、新卒でNPOに就職したという人はいます。

しかし、それは稀ですね。
まずは企業に就職し、

  • いざNPOに転職した時に活躍できる職務経験を積み上げる
  • 副業のタネにできるようなスキルを身につける
  • いろいろな業種の人と関わり、価値観や見聞を広げておく

こうした時間を経てから、NPOに転職するのでも、まったく遅くありません。
「急がば回れ」で、まずは企業に就職するのが個人的にはおすすめです。

「総労働時間の2割を本業以外の時間に充てる」など事前の取り決めを

転職組は長時間労働がいきすぎないように、入職する前に「平日5日のうち1日分を本業以外の時間に充てることを了承してもらう」といった工夫が必要です。

その際も「●曜はお休み」など本業と分断するのではなく、「週40時間のうち8時間」といった具合に、ある程度柔軟にスケジュールを組めるようにしてもらうのがキモです。

団体にとっても、週8時間であればそんなにデメリットではありませんし、外部の知見をうまく活かして働いてくれるなら、とてもありがたいはずです。

もちろん100%本業にコミットした方が、より早く活動をスケールさせられるかもしれませんし、本人が望んで長時間労働をする場合はこの限りではありません。

一般企業でもNPOでも「主体的にキャリアを切り拓く」という強い覚悟を持った方が成果を上げるのは変わりません。

まとめ:NPOの仕事はデメリットばかりではない!

ここまで、NPO法人で働く際のデメリットと、それぞれの対策について解説させていただきました。

NPOへの転職は、不安も多いことと思います。
それでも自らが社会の役に立てている実感を得ながら働く喜びは、筆舌に尽くし難いです。

私の周りにも、NPOでイキイキと働いている人がたくさんいます。
「将来こんな人になりたいな!」と尊敬できる人もたくさんいます。

あなたも「NPO×キャリア」で、一緒に良い社会をつくりませんか?
その日を楽しみにしています!

この記事を書いた人
鈴木 大悟
準認定ファンドレイザー

この世界のお金の流れを良くしたいという想いがあり、証券会社からNPOに転職しました。 現在はフリーランスのファンドレイザーとして活動しています。 NPOで働く楽しさを知っていただくことで、一人でも多くの方にキャリアの多様な選択肢を届けたい、そんな願いを込めて記事を書いています。

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