ファンドレイザーの役割とは?調達資金の違いやボランティア事例を5分でチェック

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ファンドレイザーという言葉を耳にして、ファンドレイザーに興味があるけど、どんな役割が求められているか、よく分からない人はいらっしゃるかと思います。ファンドレイジングの定義を押さえつつ、ファンドレイザーに求められている役割等について、整理してご紹介します。

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目次

ファンドレイジングの定義:狭義「資金調達」・広義「仲間集め」

ファンドレイジングの定義は主に2つあり、「資金調達」「仲間集め」というものがあります。

前者は、寄付などを中心にNPOの収入を増やす事に貢献するというもので、一般的で分かりやすいかと思われます。

後者は、NPOの活動に共感してくれる人=仲間を増やして、その人にあった支援や参加の方法を設計し、多くの仲間を増やす事に貢献するというものになります。

NPOは一般企業よりもボランティアを募り有力な経営資源の一つに位置づけ易く、SNS等でシェアしてもらい易い特徴があります。

上記をふまえて、寄付や労力等での協力者をいかに増やせるかがファンドレイジングの定義であり、ファドレイザーに求められている事となります。

以下、「資金調達」「仲間集め」について、2つに分けて深堀りしてみましょう!

資金調達の役割:5つの財源を使い分けて獲得する事が肝要

資金調達担当として、ファンドレイザーに求められる役割は、財源毎に異なりますので、以下でご紹介しましょう。

5つの財源の特徴と違い

NPOに関する財源は、以下の5つに大別できます。

事業収入

一般企業が提供するのと同等の扱いの収入で、サービスや物を提供する対価として得られる。

使途の自由度は高いが、競合が激しい。

課税対象となる場合が多い。

寄付・会費収入

NPOの趣旨・活動に賛同や共感した人から得られる収入。

使途の自由度は高いが、寄付や会費を収めてくれる人に対して、基本的には対価がないため、難易度が高い。

NPOの法人格であれば課税されない。

なお、寄付・会費を収めてくれた人との関係性構築に係る業務の視野に入れる事が肝要。

助成金収入

財団などがNPOを支援するために一定の要件を掲げて、審査通過した場合に得られる収入。

まとまった収入を得られやすいが人件費等は対象外の場合が多く、使途が制限されやすい傾向がある。

申請書や報告書作成の手間がかかり、助成をうけられるのは基本的に1度だけであるため、安定性に欠ける。

補助金収入

国や自治体等が、NPO法人が行う特定の事業にを任す対価(委託)として得られるもの。

助成金・奨励金・交付金・委託金等とも呼ばれることもある。

行政では手が回らないサービスの委託を受ける場合がほとんどで、対外的に信用力の補完になり得る。

融資による借入金

金融機関から受ける「融資」や、特定の人を対象とする「私募債」などがある。

信用金庫や労働金庫等の金融機関がNPO法人に有利な融資制度を設けている場合がある。

寄付者や助成金獲得がファンドレイザーの仕事としては多い

資金獲得の役割としてのファンドレイザーの仕事のニーズとしては、寄付・会費収入を増やす仕事や、助成金を獲得する仕事のニーズが比較的多いです。

新たな事業を立ち上げ軌道に乗せるために助成金を獲得し、仕組みを整えて、後から寄付者を増やして、経営の安定化を図る。

というような役割がファンドレイザーには求められます。

例えば、NPOの活動を知ってもらうためにパンフレットやホームページ制作で助成を受けられる助成金収入を図り、審査が通過後に作成されたパンフレットで寄付者を増やすために必要な施策を実施する等が想定されます。

仲間集めの役割:活動に共感し問題解決を目指す人が集う仕組みを設計する

寄付等の資金だけでなく、「仲間」を増やす事こそが、ファンドレイザーの重要な役割になります。

寄付やボランティアは仲間ができる参加の手段

NPOへの関わり方として、寄付だけではなくボランティアをするというケースもあります。

寄付者もボランティアも、直接的な対価が発生しないにも関わらず、NPOが望む協力をしてくれるという点が共通しています。

なぜ、協力してくれるかは、両者がNPOが掲げるビジョンに共感し、共に問題解決を行いたいと考えるからです。

あるファンドレイザーから、「100万円以上の寄付をいただいてる方に直接お礼を伝えると、自分が胸を痛めていた問題解決に動いてくれてありがとうと、逆にお礼を返された」という話を聞いた事があります。

上記を踏まえると、NPOが集めるべき本質は寄付や労力ではなく、共に問題解決を行いたいと考える「仲間」であり、寄付やボランティアは仲間ができる参加の手段と考える事ができます。

ファンドレイザーに求められる役割は、「仲間集め」と捉えた方が良さそうです。

寄付者とボランティアがリンクする事例

ファンドレイザーの仕事次第で、寄付者がボランティアもしてくれる事があります。

私が勤務していた前職のNPOでは、継続寄付者にボランティアの案内をした時に、ボランティアとして参加して下さり、日頃の寄付に対するお礼を直接伝えていただいた事がありました。

寄付直後にお礼を伝え、メールマガジン等で継続的にコミュニケーションをとってきたからこそ、ボランティアの応募時にも協力して下さるような関係性が構築できていたのではと、推測します。

そういったコミュニケーションのとり方が、ファンドレイザーの役割として、求められています。

まとめ

ファンドレイザーには、寄付を中心とした資金集めだけでなく、問題解決を目指す仲間を集める役割が求められる職業です。

この記事が少しでも皆様のご参考になれば幸いです。

この記事を書いた人
北村 政記
NPOコンサルタント

福利厚生代行上場企業7年→子育て系NPO勤務6年のキャリア後、母親の育児負担軽減に寄与すべく、2019年4月に独立。WEBマーケティングやセールスフォースの導入設計を通じ、体系的に売上増大や業務軽減を実現できるのが強み。プライベートでは2児の父であり、琵琶湖で釣りガイド業等も運営。自身の経験を活かし、皆様に役立つ情報発信に努めます。(運営サイト

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