“申込直前”の寄付者を逃がさない、入力フォームの作り方

2017
7
24

オンラインから寄付を獲得するにあたって、地味ながらも重要なのが“申込フォーム”。「入力項目が、分かりやすいか?」「ユーザー心理に沿った順番に、並んでいるか?」「スマホからでも、ストレスなく入力できるか?」などによって、コンバージョン率が大きく変わってくるのです。あなたの活動に共感してくれた方が、最後の最後、寄付の申し込みに至る直前で離脱してしまわないために、工夫できることを解説します。

フォームの完了率が2倍以上に!マンスリーサポーター200人/月へ

あるNPO法人さんで、オンラインからの寄付獲得に取り組み始めたばかりの頃のこと。
Facebookやリスティングなどに広告を出して、出だしは順調にコンバージョン(CV)を獲れていたものの、獲得件数が大きく落ちてしまったことがありました。

調べてみたところ、PCからは効率良くCVを獲得していたものの、スマホでははCPAが高騰。
スマホからのアクセスの比率が増えていくにともなって、コンバージョン率が落ちてしまっていたのです。

さらに分解してアクセスを解析すると、申込フォームの完了率が低くなっていました
つまり、せっかくフォームまで訪ねても、最後の最後で登録せずに離脱してしまっていたのです。

そこで、スマホでの申込フォームの表示を改善することに。

スマホでも見やすいレイアウトや、入力しやすい設定に切り替えたところ、申込フォームの完了率が当初10%台だったのが、20〜30%程度へと改善
コンバージョン率も、それにともなって回復しました。

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スマホでの入力に最適化したフォーム

その結果、スマホで広告の投入を増やしても費用対効果(CPA)が合うようになり、積極的にプロモーションを展開。オンラインでのマンスリーサポーターの獲得数を月200件前後まで、増やすことができたのです。

“地味”なフォームの改善は、忘れられがちに

この事例からも分かるように、WEB サイトから寄付を獲得できるか?は、申込フォームの良し悪しに大きく依存します。「WEBでキャンペーンを展開してみたが、ダメだった」「広告を出してみたものの、CPAが高くなってしまい断念した」といったご相談を、私はよくいただきます。そこでフォームをチェックすると、スマホでの表示に最適化していなかったり、10ページ近くもたどらないと登録完了まで辿り着けなかったりと、フォームが“イケてない”ケースが高い割合で見当たります。LPや広告など、目につきやすい箇所は工夫しても、フォームは忘れられがちになってしまうのです。

それにしても、寄付をしようとフォームにまでたどり着いたユーザーが、何もアクションを起こさずに立ち去ってしまう。
そう聞くと、不思議に思われる方もいらっしゃるかもしれません。

なぜユーザーは、最後の最後、フォームで離脱してしまうのでしょうか?

なぜフォームまで到達したのに、何もせずに離脱してしまうのか?

一般の方にヒアリングをするとよく出てくるのが、フォームを訪れたものの「スマホでは見づらかった」「入力が面倒」と思って後回しにしてしまったケースです。

「あとでパソコンで申し込みしよう」そう決めてブラウザを閉じたは良いものの、日々の忙しさに紛れて忘れてしまう。
時間が経つと、WEBサイトを見て高まった“熱”も冷めてしまい、結局は申し込まなくなってしまう

寄付に限らず、あなたがWEBで買い物やオンライン登録をしたときのことを、思い出してください。

  • 入力しようと頑張ったものの、住所が郵便番号で自動的に変換されず、イライラしてめんどくさく途中でやめてしまった
  • せっかく完了したのに、エラー表示が出てしまい、結局あきらめてしまった
  • たまたまクレジットカードが手元にないため、申し込みできなかった
  • 決済情報を入力するときに、ふと我に返り、「はたして本当に信頼できる会社/団体なのか?」とTopページへ戻って調べ始めてしまった
  • 確認画面から修正しようと戻ったら、入力した情報が消えてしまっていて、やる気を失った

このようなご経験をされたことは、ありませんか?

フォームからの離脱が多いのは、実はビジネスの世界でも同じ。
たとえばECサイトでは、一般的に約70%はカートやフォームから離脱すると言われています。

もし離脱を放置してしまっていたら、機会損失になるだけではありません。
広告を使ってプロモーションしている場合、費用を垂れ流しにしているのと同じことなのです。

一番“手っ取り早い”のは、入力項目を減らすこと

では、どうすればフォームでの登録完了率を高めることができるのでしょうか?

冒頭で述べたスマホ対応はもちろん、フォームのデザインや入力のユーザビリティ、などさまざまな方法がありますが、最も簡単な方法は、入力項目を減らすことです。

たとえば、「ふりがな」や「FAX番号」「勤務先」など。
寄付者とのコミュニケーションで使っていないにもかかわらず、「とりあえず聞いている」項目
はありませんか?

「メールアドレス(確認用)」も間違いを減らすためには有効ですが、面倒に感じられたりエラーが発生しやすいポイントです。

フォーム改善項目のチェックポイント例

また同じように、寄付の完了に至るまでのページ遷移が多いのも、離脱しやすい原因です。

パッケージで提供されている寄付用のフォームを活用すると、「会員登録をしないと寄付ができない」「カートに入れてから個人情報を入力する」などがデフォルトの仕様になっている場合もあります。
最低限のページ遷移で、申込を完了できるようにシステムを設計できるとよいでしょう。

EFO(入力フォーム最適化)の法則や、先行事例に学ぶ

フォームについては、WEBマーケティングの世界では「EFO」(入力フォーム最適化)という1つの分野が確立されているくらい奥の深い分野です。

本記事でご紹介した改善施策は、ほんの一例に過ぎません。

ビジネスの世界でも共通する一般的な法則については、たとえば以下の記事にとても分かりやすくまとまっていますので、ぜひ参考にされてみてください。

【保存版】問合せを劇的に増やすエントリーフォーム最適化(EFO)15の方法
スマホサイトのEFO(フォーム最適化)で爆発的成果を出すための5原則

NPO/NGOでは、たとえばユニセフさんや国境なき医師団さんのフォームは洗練されて作れ込まれているように感じます。
自団体にそのまま取り入れられるかは分かりませんが、ヒントが見つかるかもしれません。

あなたの団体を応援しようと思ってくださっている方が、いつでもどこでも、ネットに接続さえできれば、ストレスなく簡単に寄付できる。

そんな状態を実現するため、あなたの団体のフォームをユーザーの視点でいま一度チェックするところから、ぜひ始めてみてください。

この記事を書いた人
山内 悠太
ファンドレイジング・コンサルタント

1982年生れ。東京大学教養学部卒。大手メーカー(三洋電機)・広告代理店(ファインドスター)・教育NPO(認定NPO法人カタリバ)を経て、2014年に独立。
現在は「ファンドレイジング」と呼ばれる非営利団体の寄付募集を、コンサルタントとして支援しています。

マーケティング戦略の策定から「マンスリーサポーター」はじめ個人寄付収入の拡大、オペレーションのデジタル化まで、NPO・NGOや大学など10団体以上をサポートしてきました。

元々は「ダイレクトマーケティング」と呼ばれる分野で、広告やCRMの仕事を手がけてきました。
今もD2C(EC通販)やサブスクリプションなど業界にも携わり、その知見を非営利セクターに応用しています。

「非営利セクターで働く人、働きたい人のキャリアや学習を応援したい」という思いから、2022年にFunDio(ファンディオ)を立ち上げ。
「社会貢献の仕事をしたい」「NPOで働きたい」といった方には、キャリア相談にも乗らせてもらっています。

生まれ育った東京を8年前に離れ、湘南の自宅で仕事をしています。
7歳の娘の父。ラグビーやランニングなど体を動かすこと、本を読むことが好きです。

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