ファンドレイザーになるには?企業で営業職→NPO職員→独立の経緯

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ファンドレイザーになることに興味があっても、どうやってなったらいいか分かりませんよね?一般企業法人営業→NPO職員(ボランティアから正社員に)→フリーランス・ファンドレイザーのキャリアを歩んだ自分の経歴を振り返り、ファンドレイザーになるにはどうすればよいかをご紹介します。一般企業で勤務していても、ご自身の関わりたい範囲でファンドレイザーになることはできますので、ご安心下さい。

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目次

ファンドレイザーになるには実践が最も重要

ファンドレイザーなるには

実績がなくてもよいので、どんな形でもファンドレイジングをやってみる。

シンプルですが、ファンドレイザーになって報酬が得られるようために最も重要な事は、実践です。

私はファンドレイザーを名乗って約7年ですが、最初は勘違いで自分のキャリアを活かしてファンドレイジングができると思い、NPO業界に飛び込みましたが、全くキャリアが活かせずに失敗しています。

でも、現在は、フリーランスとして、いくつかのNPO様のファンドレイジングのお手伝いをする立場で働かせてもらっているので、実践の重要性を認識しています。

以下、詳細の経緯をご紹介します。

ファンドレイザーという言葉を知って転職に至った経緯

ファンドレイザーという言葉を知った経緯
引用元:https://jfra.jp/frj2010/

私が初めてファンドレイザーという言葉を知ったのは、2010年にファンドレイジング日本(FRJ)というイベントに参加した事がきっかけです。

当時は29歳、新卒で入った法人営業で7年間勤めていて(東京にいました)、社会起業家に関心があり情報収集をしていた矢先に、FRJでファンドレイザーという職業があり、法人営業で寄付を集める手法がある事実を知りました。

ちょうどその頃、大阪西区で2児が虐待により餓死した事件が起こり、類似事件の再発を防ぐためにひとり親を中心に負担が軽減される事が大切だと感じた事と、結婚を意識し私の地元である関西を軸に生活できるキャリアに興味があった事が重なり、思い切って退職を決意し、NPOにボランティアで働き始めました。

以下、キャリアの詳細を見ていきましょう。

NPOでボランティアから正社員で雇用されることに

FRJで知った法人営業のファンドレイジングは、全く活かせずも、実践、試行錯誤を繰り返し、何とかファンドレイザーになる事ができた経緯を以下、振り返ってみます。

企業正社員からNPOボランティアで働いた理由

NPOで働き始めた頃は、ボランティアで働いていました。

  • 実績次第で正社員になれる
  • 実家通いで生活費が抑えられる
  • 失業保険の給付で食べていける

等を理由に、退職を決意しました。

突然企業を退職する必要はなく、プロボノ等で実績を積む方が堅実だとも考えらますが、覚悟を決めるのにはよかったです。

最初は広報等を担当|B to Cのキャリアに触れる

ボランティアで任された仕事は、広報です。

名刺交換した人へのメルマガ発行やブログ作成、求人媒体への出稿を担当していました。

当時、勤務していたNPOは設立2年目、保育の自主事業を運営し、いかに利用者を増やせるかが主な経営課題という状況で、B to Cに関する仕事が必要でした。

広報の仕事は、どの団体も共通で求めらまる仕事です。

ファンドレイザーはどんな仕事をするのかを知りたい方は、ファンドレイザーの仕事内容は?営業や広報等、一般企業との共通点や違いについてをご参考下さい。

また、当時は、私がやりたい寄付事業を立ち上げる段階でもなく、法人側の状況をもっと理解する努力が必要だったと反省しています。

実績が残せず退職するが再チャレンジで残せた実績が認めら正社員に

実績が残せず退職するが再チャレンジで残せた実績が認めら正社員に
人生初立上げクラウドファンディングのページ(現在ページは削除されています)

上記のような状況で、大した実績も残せず半年でボランティアを辞める事になります。

その後は一旦、企業に就職しますが、寄付事業に関わりたいという思いは依然持っていたので、いよいよ寄付事業を立ち上げるという段階で法人の代表から再び、声をかけてもらいました。

その際、企業に勤務しながら、ボランティアで寄付型クラウドファンディングを通じて8ヶ月で100万円の寄付集めに成功し、実績が認められて、ファンドレイザーとして正社員になる事ができました。

NPO職員として働いてみての所感

2013年から約6年、正社員としてファンドレイザーで働き様々な事を経験させてもらえる事になりましたが、全て0から新たな実績を積み重ねざるを得ない状況でした。

以下、NPO職員でのファンドレイザーのキャリアを振り返ってみます。

独自のキャリアを形成できた事がよかった点

正社員就任後、寄付事業部を起動に乗せる事を任され、寄付者集めが重要課題でしたが、寄付事業に関してもB to Cがキャリアの中心でした。

今でこそ、法人の状況に応じてどんなファンドレイジングが必要かを判断できるようにはなりましたが、ファンドレイザーになりたて当時は、妥当な判断ができませんでした。

実践を繰り返すうちに、実績も積み上がることで独立に必要なスキルが形成でき、やがて独立に至りますが、独立に必要なスキルについては、後述します。

給与水準が下がった事が懸念点だがキャリアの幅を広げる契機に

給与水準が下がった事が懸念点だがキャリアの幅を広げる契機に

民間企業からNPO業界に転職するのに、最も懸念されるのは、給与水準が下がる可能性が高い事ですが、打開策はありますのでご安心下さい。

私もNPOで正社員として勤務しましたが、企業勤務時と比べると、給料は減少しています。

しかし、副業に目を向け、ファンドレイジング業務で学んだB to Cの経験を踏襲し、異なる自分の趣味(釣り)分野でNPO在職中にワードプレスでサイトを立上げ起業し、現在、法人化をして一定の報酬が得ることができるようになっています。

NPO×副業を実践すれば、NPOに関わりつつ適切収入の確保が、十分可能です!

フリーランス1年目で報酬を得られているのはICTの経験が大きい

キントーン紹介画像
引用元:https://kintone.cybozu.co.jp

私は2019年に独立しましたが、独立後はセールスフォース関連業務経験や、副業でのワードプレス経験等が特に役に立っています。

ファンドレイザーになるために、ワードプレス×CRM(セールスフォースやキントーン等)についての知識や経験習得を目指せば、NPOや民間企業等の業界、雇用形態を問わずに、報酬を得られる事ができるのではないでしょうか。

もちろん、ワードプレスなどの経験がなくても大丈夫で、まずはやってみる事が何より大切です。

やってみるうちに実績が積み重なり、自身の強みが形成され、ファンドレイザーになる事ができます。

まとめ

ファンドレイザーになるには、NPOが何を求めているのかを理解し、まずはやってみるのが最もおすすめです。

ファンドレイザーが求められる仕事や、特定の分野に強いファンドレイザーが存在しないのが、NPO業界の実情ですので、この記事を機に、皆様がファンドレイザーになってくれたら嬉しいです。

この記事を書いた人
北村 政記
NPOコンサルタント

福利厚生代行上場企業7年→子育て系NPO勤務6年のキャリア後、母親の育児負担軽減に寄与すべく、2019年4月に独立。WEBマーケティングやセールスフォースの導入設計を通じ、体系的に売上増大や業務軽減を実現できるのが強み。プライベートでは2児の父であり、琵琶湖で釣りガイド業等も運営。自身の経験を活かし、皆様に役立つ情報発信に努めます。(運営サイト

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